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第28話 日照りと雨乞い

更新日:2014年5月1日


「時により す(過)ぐれば民のなげきなり 八大龍王 雨やめたまへ」とは、鎌倉三代将軍源実朝の歌ですが、雨の多少は大きな問題です。日照りの時、町域では昭和中期まで盛んに雨乞いが行われてきました。
氏神や寺(堂)で願掛け、お籠もりをし、大松明を焚き、大般若経の転読などをします。降雨が無ければ最終手段で、村々持ち寄りの柴を焚く「千束柴」が大野山や三草山の山頂で行われます。鉦や太鼓を打ち鳴らし「雨降れ祇園どん、たもれたもれ水神どん」や「雨たまえ八大竜王」と歌いつつ周囲を千度踏みして祈願しました。柏原・阿古谷の鰻の森、鎌倉の不動の滝のウナギは神への供物として神聖視され、決して殺さず降雨後は元へ戻されたのです。  町域では柏原、鎌倉、阿古谷の他に、差組の雨森神社、槻並の岩神さんでの雨乞いが記録されています。
稲作民族にとって水は、時に人命を懸けるほど大切なものでした。(写真:槻並の岩神さん)

《読み方》
日照りと雨乞い=ひでりとあまごい、八大竜王=はちだいりゅうおう、源実朝=みなもとのさねとも、願掛け=がんかけ、お籠もり=おこもり、大松明=おおたいまつ、焚き=たき、大般若経=だいはんにゃきょう、転読=てんどく、降雨=こうう、千束柴=せんぞくしば、鉦=かね、祇園=ぎおん、水神=いじん、千度踏=みせんどふみ、鰻=うなぎ、供物=くもつ、雨森神社=あめもりじんじゃ、岩神=いわがみ

(写真)槻並の岩神さん

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