更新日:2014年5月1日
柏原のウナギの森の横手に、摂津と丹波をつなぐ古道があります。
峠を越えれば、篠山市後川。往古はこの道を人々が行きかい、篠山から来た人は、さらに下った「長寿の滝」あたりで、のどをうるおし、休息したと伝えられています。
この峠道の入口に「左たんば 右やま」と書かれた、道標を兼ねた石像があります。煩悩を除き邪悪から守る馬頭観音だといわれています。
ここを通る旅人が、台石の前に石を積んで旅の安全を祈ったといわれますが、それも昔となりました。
機械化されるまでの農村では、農作業や物資の運搬などに牛を使い、家族同様に大切にしていました。
ここの馬頭観音には、村人たちが牛を連れてお参りし、大きく丈夫に育つように、病気にならないようにと祈ったといいます。
馬頭観音は人だけでなく動物たちも守る仏様で、現在では、島の大日堂の牛神像とともに、ペットを守ってくれる存在といえるでしょうか。(写真:柏原・馬頭観音)
《読み方》
馬頭観音=ばとうかんのん、摂丹の峠道=せったん の とうげみち、古道=こどう、後川=しつかわ、往古=おうこ、道標=どうひょう、煩悩=ぼんのう、台石=だいいし、大日堂=だいにちどう、牛神像=うしがみぞう