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第130話 「広根遺跡 観音寺跡」

 新名神高速道路建設に伴う発掘調査で、昭和12(1937)年に廃寺となった陀華山観音寺(堂)跡と推定される遺構が見つかりました。
 陀華山観音寺は、元禄6(1693)年に発願された「多田庄巡礼三十三所」の第六番霊場です。これは、江戸時代に隆盛を極めた観音霊場巡りを身近に簡略化し各地で行われたミニ霊場巡りの一つです。
 満願寺(川西市満願寺町所在)を一番に、多田院中堂(現在の多田神社)を最後とするこの巡礼は、元禄14(1701)年刊行の『摂陽群談』にも紹介されています。町内では他に、四番上蓮寺(肝川)、五番滝淵寺(猪渕)、七番慈光寺(広根)、八番安養寺(上野)、九番安楽寺(柏梨田)、十番善福寺(原)、十一番了秀庵(原)があり、今も安養寺、安楽寺、善福寺、了秀庵は参詣できます。
 観音寺跡の山頂付近では、14世紀から15世紀の火葬墓が50基以上も見つかり、経塚に使用されたと推定される筒状土器も出土しました。
 中腹では、中世後期の造成地に素掘りや石組の井戸も見つかり、15世紀代の中国製青磁碗なども出土、瓦質風炉も発見されたことから、寺院があった可能性があります。
 尾根上の14世紀代墓地群は広根遺跡住人のために造られた可能性があり、山裾周辺では近世遺構が確認されています。西側には16世紀の火葬墓群、18世紀以降の土葬墓・火葬墓群があります。
 他には、町内最古の遺物約2万年前の石刃も1点発見され、猪名川町の歴史が塗りかえられました。

《読み方、注釈》
陀華山観音寺=だけさんかんのんじ、満願寺=まんがんじ、摂陽群談=せつようぐんだん、上蓮寺=じょうれんじ、滝淵寺=たきぶちでら、慈光寺=じこうじ、安養寺=あんようじ、安楽寺=あんらくじ、善福寺=ぜんぷくじ、了秀庵=りょうしゅうあん、経塚=きょうづか、瓦質風炉=がしつふろ、石刃=せきじん

(写真:観音寺跡遺跡からつつじが丘方面を臨む )

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