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第70話 五人組制度

「五人組」とは、江戸幕府が強制施行した庶民の隣保組織です。原型は律令制下の五保制度で、直接には豊臣秀吉が治安のために置いた五人組・十人組の流れを汲みます。
村方では総百姓を単位に、原則として5軒1組で組織し、相互監察、相互扶助、貢納確保などのため連帯責任制をとりました。のちには幕府・領主の意思伝達、相互扶助に重点がおかれ、明治時代になると「衛生班」、戦時中には「隣組」となりました。
今も慶弔時・農繁期・物資の貸借など近所づきあいの単位として残っているところがあります。「五人組帳」は法令と連判の証文でなり、寺子屋の教科書にもなりました。
文政10年(1827)の「紫合村御仕置五人組帳」は全74条からなり、庄屋が毎年正月・5月・9月・11月に全員に読み聞かせ、誓約を新たにしていました。天明5年(1785)の「笹尾村御仕置五人組帳」では年貢米収納の連帯責任が強調されています。(写真:笹尾村御仕置五人組帳)

《読み方、注》
五人組=ごにんぐみ、施行=しこう、隣保組織=りんぽそしき、律令制下=りつりょうせいか、五保制度=ごほせいど、治安=ちあん、十人組=じゅうにんぐみ、流れを汲み=ながれをくみ、村方=むらかた、総百姓=そうひゃくしょう、相互監察=そうごかんさつ、相互扶助=そうごふじょ、貢納確保=こうのうかくほ、連帯責任制=れんたいせきにんせい、衛生班=えいせいはん、隣組=となりぐみ、慶弔時=けいちょうじ、農繁期=のうはんき、物資の貸借=ぶっしのたいしゃく、五人組帳=ごにんぐみちょう、法令=ほうれい、連判=れんぱん、証文=しょうもん、寺子屋=てらこや、文政=ぶんせい、紫合村御仕置五人組帳=ゆうだむら おしおき ごにんぐみちょう、全74条=ぜん74じょう、庄屋=しょうや、毎年=まいとし、誓約=せいやく、新たに=あらたに、天明=てんめい、年貢米=ねんぐまい、収納=しゅうのう

(写真)笹尾村御仕置五人組帳1

(写真)笹尾村御仕置五人組帳2

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