猪名川町は来る4月10日に町制施行60周年を迎えます。昭和30（1955）年3月15日付の町制施行申請書が、翌16日に兵庫県に提出されました。町が保存する文書の添付書類目録には、1．申請書、2．理由書、3．町村合併の実施希望期日、4．関係町村の議会の合併する旨の議決書、5．関係町村の議会の財産処分の議決書、6．関係町村議会の会議録抄本、7．関係町村議会の模様、8．合併に関する調書、とあります。
  中谷村六瀬村両村長連名の申請書は「兵庫県川辺郡中谷村及び兵庫県川辺郡六瀬村を廃し、その区域を以って新たに猪名川町を設置したいから、別紙必要書類を添え関係村長連署を以って申請致します。」と書かれています。
  そして理由書には、“地方分権が強化され町村行政も複雑多種となり、弱小町村の運営が困難となってきた。郷土の将来を考え、民情・風俗・産業も合致する両村が合併して強固な自治体を築き飛躍的発展を期す”などとあります。
  同3月15日に開かれた中谷村議会、六瀬村議会では中谷村15人、六瀬村16人の全議員が出席し、村有財産の取り扱いなどについて質問が出たものの、満場一致で合併原案が可決されました。なお、両議会ともに村長の提案において東谷村（現川西市）、西谷村（現宝塚市）、長尾村（同）との合併希望が叶わなかった事に触れています。
  新町名選定は、“両村和合の精神で百年の将来を考慮して”一般公募となり「郷土の仙境を清流する猪名川が、最も老若男女を問はずなつかしいもの」として両村満場一致で決定されました。

▼川辺郡中谷村六瀬村合併に関する申請書

新町発足を祝う小学生の旗行列