わが町、猪名川町の名前をとって「イナガワ」と命名された小惑星(5851)Inagawaが、4年ぶりに大接近し、その姿を猪名川天文台で撮影に成功しました。
イナガワは火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯(小惑星の軌道が集中している領域)に属する小惑星で、4.18年かけて太陽の周りを公転しています。
地球には1.31年毎に接近しますが、公転軌道が楕円のため、大接近、小接近、中接近を繰り返します。前回の大接近は、「イナガワ」と命名された2009年の10月で、今年の9月は4年ぶりの大接近となりました。接近と言っても火星軌道の外側で、かつ小惑星の推定直径も約5~10キロメートル程度ですので、明るさは大接近時で15等級程度、小接近時で17等級程度、中接近時で16等級程度です。猪名川天文台の50センチメートル反射望遠鏡の眼視観測の限界等級は約15等級ですので、およそ4年に1回の大接近時のみかろうじて眼視観測が可能となります。
今年は9月上旬が大接近(再接近は9月10日)でしたが、9月上旬は天候に恵まれず眼視観測のチャンスは逃してしまいました。しかし9月28日にその姿を写真に収めることができました。
写真中央に斜めの短い線状に写っているのが小惑星「イナガワ」です。小惑星は、公転により刻々と軌道上を移動していきますので、写真に撮影すると数分でも線状に移動して写りますので、他の恒星と容易に見分けることが可能です。
次回の大接近は4年後の2017年8月上旬です。お楽しみに!
写真は、9月28日21時37分からおよそ15分間に移動する小惑星「イナガワ」の姿です。
PDFファイルを閲覧するには「Adobe Reader(Acrobat Reader)」が必要です。お持ちでない方は、左記の「Adobe Reader(Acrobat Reader)」ダウンロードボタンをクリックして、ソフトウェアをダウンロードし、インストールしてください。