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現在の場所

第127話 「ニュータウンの地名」

 皆さんはお住まいの地名の由来をご存じでしょうか。猪名川町には紫合や柏梨田のような難読地名が多くあります。古くからある地名の由来は、地形・地質や伝説などが考えられますが、多くは推測の域を出ません。
 一方、新しく開発された地域の地名は由来が比較的はっきりしており、命名した人々の希望や思いを感じることができます。
 猪名川町北部の『旭ヶ丘』の名称には“太陽信仰”を見ることができます。昇る朝日(旭)は生命の源であり、すべての始まりです。
 今年は伊勢神宮の20年に1度の「式年遷宮」の年ですが、天照大神は太陽神です。また魏の国から“卑弥呼”の字をあてられた邪馬台国の女王ヒミコは“日御子”であり“日巫女”とも考えられます。
 ちなみに日向(宮崎県)は昇る朝日に対する地“ヒムカ”です。東方には太陽の生ずる所“陽の根の野”日根野(大阪府)があります。聖徳太子が日本を“日出る国”と称したように日本人は太陽を尊んできたのです。
 町南部の『若葉』の名があらわすものは、新緑であり、不老不死、生命の再生、永遠の生命の象徴です。
 『白金』の名称は、猪名川町の特色である多田銀銅山にちなんでいます。その中心地銀山地区に隣接し、「銀」は“しろがね”と呼ばれることから名付けられました。
 『つつじが丘』は町の花「つつじ」が由来です。現在は紫陽花で有名な大野山も、以前は全山をつつじが彩り見事だったそうです。
 猪名川町の玄関口、日生ニュータウンの『松尾台』は、古来「松ノ尾」と呼ばれていた所に開発された住宅地であることから付けられた名称です。万治3(1660)年2月に作成された山境改証文に添付された絵図に記載されています。 

《読み方、注釈》
紫合=ゆうだ、柏梨田=かしうだ、旭ヶ丘=あさひがおか、式年遷宮=しきねんせんぐう、天照大神=あまてらすおおみかみ、魏=ぎ、卑弥呼=ひみこ、邪馬台国=やまたいこく、日御子=ひみこ、日巫女=ひみこ、日向=ひゅうが、日根野=ひねの、聖徳太子=しょうとくたいし、出る=いづる、尊んで=たっとんで、白金=しろがね、紫陽花=あじさい、彩り=いろどり、万治=まんじ、山境改証文=やまざかいあらためしょうもん

(写真:つつじが丘)

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