離婚後の子の養育に関する民法等改正(共同親権等)について

更新日:2026年03月18日

法改正の概要

2024年(令和6年)5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。
この改正法は、2026年(令和8年)4月1日に施行されます。
改正内容についての詳細は、下記法務省のホームページをご覧ください。

法務省:民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕

法改正の主なポイント

親の責務に関するルールの明確化

父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。

こどもの人格の尊重

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの心身の健全 な発達を図るため、こどもを養育する責務を負います。その際には、こどもの意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、こどもの人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを扶養する責 務を負います。この扶養の程度は、こどもが親と同程度の水準の生活を維持することができるようなもの(生活保持義務)でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等
・父母の一方が、他方による日常的なこどもの監護に、不当に干渉すること
・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること
・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと など

なお、DVや虐待から避難するために必要な場合などはこの義務に違反しません。

こどもの利益のための親権行使

親権(こどもの面倒をみたり、こどもの財産を管理したりすること)は、こどもの利益のために行使しなければなりません。

親権に関するルールの見直し

父母の離婚後の親権者

父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の父母双方を親権者と定めることができるようになります。

父母の婚姻中は父母双方が親権者ですが、これまでの民法では、離婚後は、父母の一方のみを 親権者と定めなければなりませんでした。 今回の改正により、離婚後は、共同親権の定めをすることも、単独親権の定めをすることもできるようになります。

親権者の定め方

●協議離婚の場合
父母が、その協議により、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

●父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合
家庭裁判所が、父母とこどもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、 こどもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。この裁判手続では、家庭裁判所は、父母それぞれから意見を聴かなければならず、こどもの意思を把握するよう努めなければなりません。

次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。
※虐待のおそれがあると認められるとき
※DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

親権者の変更

離婚後の親権者については、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、 こども自身やその親族の請求により、親権者の変更(父母の一方から他の一方/一方から双方/ 双方から一方)をすることができます。離婚前の父母間に一方からの暴力等があり、対等な立場での合意形成が困難であったといったケースでは、こどもにとって不利益となるおそれがあるため、この手続によって親権者の定めを是正することができます。

親権者の変更の場合も、上の2つの※に当てはまるときは、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることになります。

親権の行使方法(父母双方が親権者である場合)

父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。

1.親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

2.次のような場合は、親権の単独行使ができます。
・監護教育に関する日常の行為をするとき(※1)
(※1)日々の生活の中で生じる監護教育に関する行為で、こどもに重大な影響を与えないものをいいます。
・こどもの利益のため急迫の事情があるとき(※2)
(※2)父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては親権の行使が間に合わず、こどもの利益を害する おそれがある場合をいいます。(DVや虐待から避難する必要がある場合、こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合など)

3.特定の事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます。

養育費の支払確保に向けた見直し

・養育費の取決めに基づく民事執行手続が容易になり、取決めの実効性が向上します。
・養育費の取決めがない場合にも、暫定的な養育費(法定養育費)を請求することができる制度が新設されます。
・養育費に関する裁判手続の利便性が向上します。

合意の実効性の向上

これまでの民法では、父母間で養育費の支払を取り決めていたとしても、養育費の支払がなかったときに養育費の支払義務を負う親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。

今回の改正により、養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されるため、債務名義がなくても、養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて、差押えの手続を申し立て ることができるようになります。養育費のうち先取特権が付与される上限額は、子一人当たり月額8万円です。なお、民法等改正法の施行前(令和8年3月31日以前)に養育費の取決めがされていた場合には、施行後(令和8年4月1日以降)に生ずる養育費に限って先取特権が付与されます。

暫定的に請求することができる養育費(法定養育費)の新設

これまでの民法では、父母の協議や家庭裁判所の 手続により養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。今回の改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、他方に対して、暫定的に一定額の養育費を請求することができるようになります。その額は、子一人当たり月額2万円です。また、この暫定的な養育費の支払がされないときは、差押えの手続を申し立てることができます。なお、改正法の施行後に離婚した場合に、この暫定的な養育費を請求することができます。

この新設された制度は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。こどもの健やかな成長を支えるためには、父母の協議や家庭裁判所の手続により、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

親子交流や父母以外の親族(祖父母等)とこどもとの交流に関するルールが設けられています。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所は、こどもの心身の状況に照らして相当であるかや、調査の必要性があるかなどを考慮して、親子交流の試行的実施を促すことができます。

婚姻中別居の場合の親子交流

婚姻中別居の場合の親子交流については、こどもの利益を最優先に考慮し、父母の協議により定めます。協議が成立しない場合には、家庭裁判所の審判等により定めます。

父母以外の親族とこどもの交流

こどもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができます。

養育費等に関する支援について

●弁護士による法律相談

離婚などの民事トラブルについての無料弁護士相談です。
実施日:毎月第2月曜日(祝日の場合は翌平日・年末年始、大型連休により変更の場合あり)
1回につき30分(案内時間も含む)、弁護士による相談

●公正証書作成費等補助金

養育費や親子交流に関する取り決めを促進するため、公正証書の作成費用、家庭裁判所の調停調書の作成費用等を補助します。(上限3万円)

●保証会社の利用費補助

養育費支払いの履行確保のため、民間の養育費保証会社と保証契約した場合の本人負担分を補助します。(上限5万円)

問合せ先:兵庫県 阪神北県民局 電話:0797-61-5176

参考

法務省作成動画(YouTube)

この記事に関するお問い合わせ先

生活部 こども課
業務時間:午前8時45分~午後5時30分
〒666-0292
兵庫県川辺郡猪名川町上野字北畑11-1
電話:072-767-7477
ファックス:072-766-8906

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