皆さんは「りか」という名前を聞いて誰を思い浮かべますか?リカちゃん人形やご家族、お友達などを思い浮かべ、昭和後半からの名前だと思われる人が多いと思います。
でも、江戸時代の庶民にも「ウメ」や「マツ」だけでなく、現代でも使われる名前の女性達がいました。
猪名川町内に残る古文書のうち、「人別帳」と呼ばれる各村ごとに行われた人口調査の帳面にも、「りか」「ゆか」「ゆり」などの名前が書かれています。男性には、○○衛門や○○兵衛、○之助、○吉などが多く、平七や利八のように数字を使った名前も見られます。
当時は乳幼児の死亡率がとても高く、「七歳までは神のうち」と言って子どもを失う悲しみを和らげていた時代です。子どもが元気で丈夫に育つようにと、「熊」や「寅(虎)」など強い動物や、長命を願って「鶴」や「亀」を使ったり、「松竹梅」「菊」のようにめでたい植物などを使った名前が多くあります。
明治になると、それまで身分の高い者にしか許されなかった「子」が一般女性の名に使われるようになり、現在では“キラキラネーム”と呼ばれる華麗な名前も多くなりましたが、いつの世も我が子の幸せを祈る親の気持ちは変わりません。
《読み方》
人別帳=にんべつちょう、民田村家数人別附牛馬員数帳=たみだむらいえかずにんべつつけたりぎゅうばいんすうちょう
(写真:天明四年民田村 家数人別附牛馬員数帳)