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第126話 「9月の天災と猪名川町域」

 9月に起こった日本の大災害でよく知られるのは、大正12(1923)年9月1日の関東大震災です。
 猪名川町域の大災害については第17話「北摂の大水害」で「笹尾流れ」と「魔の二十八水」などにふれました。前者は明治29(1896)年8月30日夜の暴風と豪雨により死者29人を出し、笹尾を中心とした北部に大被害をもたらしました。後者は昭和28(1953)年9月1日の豪雨と25日の台風により、幸い死者は出ませんでしたが、六瀬地域の復興に7年もかかった大水害です。
 猪名川の歴史をひも解くと、明治時代以降も多くの天災が9月に起こり、人々や農産物が大被害を受けていることがわかります。
明治40(1907)年9月25日には道路・橋梁が流失決壊する大水害が起こりました。
 昭和25(1950)年9月3日には、ジェーン台風によって災害救助法の適用を受ける被害が出ています。同34(1959)年9月26日には、台風15号(伊勢湾台風)による被害1億6千万円。同40(1965)年には、9月10日に台風23号が、14日から16日に秋雨前線による豪雨が、17日には台風24号がと、天災が相次いで襲来し、柏原地区で大規模な地すべりが発生、町域の被害総額は約1億8千万円に達しました。
 町ではこれらの災害を教訓として災害パトロールなどを強化し、河川や道路の改修も進み、砂防ダムも造られました。
 90年前に起きた関東大震災の被害に対し、中谷村・六瀬村は義援金や衣類を贈っています。2年前の東日本大震災の被害に対しても猪名川町住民の志として4,848,519円の義援金が集まりました(平成25年8月現在)。歴史からも人と人のつながりや、助け合いの心をうかがい知ることができます。

《読み方、注釈》
笹尾流れ=ささおながれ、魔の二十八水 =まのにじゅうはっすい

(写真:清水東側より尾花橋下流護岸耕地流失)

(写真:役場庁舎前庭も一面水)

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